畜産調査研究事業
預託牛放牧事業
畜産農家の高齢化が進む中で、飼養管理の労力及び費用の軽減を図り、地域畜産農家の経営安定化に寄与するため、当公社では預託放牧事業を実施しています。
- 【預託期間】
- 通年
- 【料 金】
- 〇乳用牛 300円
〇肉用牛 270円
〇緬羊 100円
※いずれも1頭あたり1日分の料金です。 - 【預託対象】
- 市内に住所を有した方が所有又は飼育するものに限ります。また、牛の場合は、概ね生後10ヶ月以上経過し悪癖のない未経産牛の雌牛が対象となります。
- 【預託条件】
- (1)家畜共済に加入していること
(2)家畜保健衛生所で行う放牧前検査に合格した家畜であること - 【実 績】
- 令和5年度は5頭の預託放牧を実施しました。
- 【受付時期】
- 放牧開始日の1ヶ月前
- 【応募方法】
- 郡山市畜産振興センター使用許可申請書に必要事項記入のうえ、当センターまでお申し込みください。
なお、料金は一括又は月毎のいずれかを選択できます。一括の場合には、預託開始日の1週間前までのお支払いとなります。月ごとの場合には、月初めの1週間前までのお支払いとなります。
優良仔畜生産、性判別出産調査研究事業
当公社では、生乳の生産性、品質向上及び雌牛の出生率向上に向けた取り組みを行っております。
また、この事業による優良子畜受胎雌牛を抽選方式により原価で譲渡しています。
〇性判別精液による雌牛の出生調査
年度 | 判別精液 | 普通精液 |
令和4年度 | 100%(5頭/5頭) | 66.7%(8頭/12頭) |
令和5年度 | 100%(14頭/14頭) | 25.0%(2頭/8頭) |
※生乳生産向上のため、雌牛の出生率向上に取り組んでいます。
〇優良仔畜受胎雌牛譲渡
- 【乳用初妊牛譲渡申込受付】
- 対象者:郡山市内の畜産農家
※ただいま募集はありません。
高品質生乳生産研究事業
より高品質な生乳の生産に資するため、良質な粗飼料(牧草等)生産にかかる飼料分析及び生乳の分析調査を行っております。
〇良質粗飼料生産のための資料成分分析
3号草地で作った1番草サイレージの飼料成分を専門機関に分析依頼
※1号草地2.6ha、2号草地2㏊、3号草地1.5ha、4号草地1.3ha、5号草地1.2㏊、乳牛舎前草地1.5ha、放牧地8ha
【令和5年度分析結果】
成分内容 | 標準値 | 測定値 |
カルシウム | 0.2~0.4% | 0.38% |
リン | 0.2~0.4% | 0.33% |
マグネシウム | 0.1~0.2% | 0.19% |
カリウム | 1.7~3.5% | 3.33% |
硫黄 | 0.2%以上 | 0.20% |
亜鉛 | 20ppm以上 | 26ppm |
マンガン | 15~300ppm | 31ppm |
鉄 | 20ppm以上 | 83ppm |
費用削減のため、施設で生産される堆肥を全量使用していることから、例年カリウム値が
高くなる傾向であったが、カリレスの化成肥料を使用するほか苦土石灰等で PHを調整する
などの土壌改良に努めた結果、昨年度の数値より約1%下がり、値は標準値内となるな
ど、適正な土壌改良が行われた。
今年度の草種は、オーチャードグラス・チモシーを主体として、アルファルファや白クローバ等
のマメ科牧草を混播したほか、新たに嗜好性の高いペレニアルライグラスを混播し、さらなる収
量の増加を図った。
適切な水分調整と、乳酸菌を使用し良質な乳酸発酵が行われたこと、マメ科牧草の定
着に努めたことなどにより、乾物中の CP(粗蛋白質)値は、昨年度の 11.3%からさらに高
値の 12.4%となり、高栄養の粗飼料を生産することができた。
生産乳量が昨年比で増加し、高い乳量でありながら平均で 4%を超える乳脂肪率を保
てている要因は、自家生産粗飼料が高栄養であり、かつ嗜好性が良いことで、よく食い込む
ためと考えられることから、今年度は高品質な粗飼料の生産を行うことができたと考える。
〇高品質生乳生産のための生乳分析
【令和5年度分析結果】
生産量 | 成分 | ||
脂肪分 | 無脂乳固形分 | 蛋 白 | |
157,349kg | 4.11%(平均) | 8.86%(平均) | 3.36%(平均) |
今年度は、高齢の牛を更新したため、経産牛のうち5頭が初産牛となる若い牛群であっ
たが、2~3産の泌乳量がピークを迎えてくる年代の牛の乳量が多かったこともあり、1頭当た
りの平均乳量は、前年比で年間約500kg増加した。また、乳脂肪率の平均も上がり、高
品質な生乳の生産を保つことができた。
乳量の増加については、乳房炎ワクチンの接種により、乳房炎に罹患する個体が激減し
たことで、廃棄量が少なくなっていることも要因の一つである。
しかしながら、乳脂肪率については一年を通して高水準ではあるものの、暑熱期は他の
時期と比較して値が低くなることから、次年度は牛舎内の暑熱対策として、扇風機にインバ
ーターを設置し、効果的な送風により牛の暑熱ストレス低下を図り、乳脂肪率の減少を少
なくしたい。